松坂大輔に、オリックスで監督を務めたテリー・コリンズと日本に馴染みのある人物も在籍するため、日本でも比較的多くの情報が出まわるメッツです。
ただ、そのメッツのチーム状況は良いとは言えず、2013年は4年連続4位から1つ順位を上げたものの、メッツが上昇したというより、フィリーズが落ちてしまったという印象でした。
そのメッツの2013年の打撃と投手のスタッツは以下のとおりとなっています。
・得 点: 619点(23位)
・打 率: 0.237(29位)
・出塁率: 0.306(25位)
・長打率: 0.366(29位)
・本塁打: 130本(25位)
・盗 塁: 114個(8位)
【投手】
・防御率: 3.77(13位)
・QS : 94回(6位)
・被打率: 0.256(20位)
・出塁率: 0.316(12位)
・WHIP : 1.29(12位)
・Save成功率:69.00%(15位)
投手陣はまずまずで、先発の防御率は3.68で8位と上位にランクされますが、リリーフは3.98で22位とコマ不足は否めなかった2013年でした。
打撃陣はひどい状況で、特に打率.237で両リーグ29位と粗さが目立つ上に本塁打も少ないという打線で、このオフの重要課題でした。
その2014年のニューヨーク・メッツの戦力分析です。
メッツの2014年戦力分析・評価
まずはこのオフに獲得した戦力と、失った戦力をまとめておきます。
【補強した選手の一覧】
- バートロ・コロン(SP)
- カーティス・グランダーソン(OF)
- クリス・ヤング(OF)
- 松坂 大輔(SP) マイナー契約
- ジョン・ラナン(SP) マイナー契約
- カイル・ファーンズワース(RP) マイナー契約
【失った戦力の一覧】
- ラトロイ・ホーキンス(RP)
- スコット・アッチソン(RP)
- デビッド・アーズマ(RP)
- ショーン・マーカム(SP)
- アーロン・ハラング(SP)
- ヨハン・サンタナ(SP)
- ラトロイ・ホーキンス(RP)
先発投手が3人抜けましたが、サンタナは投げていませんでしたし、マーカムは大きく負け越していましたので、大きな痛手ではありません。課題のブルペンでは終盤にクローザーを務めたラトロイ・ホーキンスがFAで流出しています。
トレードや移籍ではないもののチームトップの防御率2.27/WHIP0.93の成績を残したマット・ハービーが、トミー・ジョン手術で投げれないことのほうがメッツには大きな痛手です。
その先発ローテにベテランのバートロ・コロン、ジョン・ラナンを獲得して、松坂大輔と再契約しました。
打撃面ではオフでの大きな流出はなかったものの、シーズン中のパイレーツへのトレードでマーロン・バードとジョン・バックが抜けたことによる攻撃力の低下が課題の1つでしたが、カーティス・グランダーソンとクリス・ヤングを獲得しました。
メッツの2014年の先発ラインナップとベンチメンバーの予想一覧
予想されるメッツの2014年のスタメンオーダーとベンチメンバーの一覧は以下の表のとおりとなっています。
1番から3番までのスピードは魅力がありますが、それを返す中軸にグランダーソン、アイク・デービス、クリス・ヤングが座ることになります。
捕手のジョン・バックをトレードに出せたのも、2013年にメジャーデビューしているプロスペクトのトラビス・ダーノーがいたためで、2014年シーズンの正捕手です。
ダーノーは2014年のプロスペクトランキングでは22位で、キャッチングとフットワークが高い評価を受けています。
得点力のアップは、グランダーソンとクリス・ヤングがどこまで復活するかへの比重が大きくなっています。
しかし、グランダーソンの2013年は故障で61試合の出場にとどまり、復帰したあとの打撃の内容も良いものではなく、すでに年齢は33歳で、ヤンキース時代の2年連続40本塁打・100打点を期待するのは酷です。
そしてヤングはまだ30歳ですが、年々成績を落としているので、再び上昇できるのかは疑問符がつきます。
また期待されていたアイク・デービスも好不調の波が大きく、トレード要員となっている状態で、同じく期待されていたショートのルーベン・テハダも、レギュラー失格の烙印を押される寸前の危うい状況です。
どちらにしても、波が大きい選手が揃っていて、安定した成績を残す予想はしづらいラインナップとなっています。
メッツの2014年の先発ローテとブルペンのメンバー予想一覧
予想されるメッツの2014年の先発ローテーションとブルペンのメンバーの一覧は以下の表のとおりとなっています。
バートロ・コロンを獲得して、ジョン・ニース、ディロン・ジー、ザック・ウィーラーといいますので、ここにマット・ハービーがいたら、期待できる先発投手陣になっていました。
松坂大輔は開幕当初は先発ローテに入れそうですが、6月以降にはトッププロスペクトのノア・シンダーガード(ランク11位)、ラファエル・モンテロ(ランク85位)が昇格してきますので、松坂にとっては厳しい状況ですが、メッツのチームの展望としては希望を感じさせる若いプロスペクトの昇格待ちです。
松坂は成績が芳しくなければ、プロスペクトが昇格するとともに、あっさりとお役目御免の可能性はありますが、成績が良ければ、メッツでローテから外れても、他のチームからの引き合いもありますので、どちらにしても勝負の前半戦となりそうです。
不安が大きいブルペンには、松坂と5番手を争っている若いヘンリー・メヒアとベテランのジョン・ラナンは早々にブルペンに回すことをコリンズ監督は示唆しています。
クローザーは首の手術から復帰のボビー・パーネルが務めますが、オープン戦で結果は悪くないものの球速が戻らないことが懸念されています。
しかし、他に良いクローザーのオプションがあるわけでもなく、獲得に動いたFAのクローザーにもことごとく逃げられてしまいましたので、パーネルがしっかりとしないと、ゲームの終盤に泣かされることが多くなりそうです。
総括・まとめ
課題の打線の補強には上昇気配の選手ではなく、復活に期待をかける選手を獲得していて、不安が残ります。
また課題のブルペンは補強らしい補強といえばマイナー契約して、そこからセットアップを任されることが有力なカイル・ファーンズワースくらいで、先発を争う2人をまわすことで、何とか整える状況です。
ある程度計算が見込めるのは先発ローテだけという状況ですが、2014年の段階では強力とまでは言えず、全体的にブレーブスとナショナルズには見劣りする戦力で、プレーオフ進出も見えない状態でのフィリーズとの3位争いという状況です。
2014年の展望は決して明るいわけではないメッツですが、投手陣に関しては早ければ2016年、遅くとも2017年には豪華な布陣になることが予測されます。
現在ローテに入っている先発投手は、27歳のディロン・ジーは2016年まで、27歳のジョン・ニースはオプションを含めると18年まで、24歳のマット・ハービーも18年まで、23歳のザック・ウィーラーは19年までチームに権利があります。
そこにノア・シンダーガードとラファエル・モンテロが加わると、メジャー随一の投手陣となる可能性を秘めています。
優勝争いは想像しにくいですが、将来を期待される若い選手の成長に期待をかける2014年となりそうです。