レンジャーズとエンゼルスという強豪を相手に、2012-13年とア・リーグ西地区を2連覇したオークランド・アスレチックスです。
そのGMであるビリー・ビーンの手腕は、MLB関係者からの評価は高く、今年のオークランド・アスレチックスもやりそうだとの良い前評判を得ていて、3連覇が視野に入っています。
そのアスレチックスの2013年の打撃と投手のスタッツは以下のとおりとなっています。
・得 点: 767点(4位)
・打 率: 0.254(14位)
・出塁率: 0.327(8位)
・長打率: 0.419(4位)
・本塁打: 186本(3位)
・盗 塁: 74個(19位)
【投手】
・防御率: 3.56(7位)
・QS : 92回(8位)
・被打率: 0.242(4位)
・出塁率: 0.298(1位)
・WHIP : 1.22(3位)
・Save成功率:69.00%(17位)
打率こそ低いものの、得点力、長打率、本塁打ではMLB30球団でトップ5に入っています。また投手陣は軒並み上位の数字で、ブルペンの防御率3.22は両リーグ6位と安定感がありました。が、セーブ成功率がやや低くクローザーにやや弱さがありました。
そのアスレチックスの補強の動向と2014年の戦力の分析と評価をしていきます。
アスレチックスの2014年戦力分析・評価
まずはこのオフに獲得した戦力と、失った戦力をまとめておきます。
【補強した主な選手の一覧】
- スコット・カズミアー(SP)
- ジム・ジョンソン(RP)
- ルーク・グレガーソン(RP)
- エリック・オフラハティ(RP)
- ドリュー・ポメランツ(SP)
- ジョシュ・リンドブロム(SP)
【失った主な戦力の一覧】
- バートロ・コロン(SP)
- グラント・バルフォア(RP)
- ジェリー・ブレビンス(RP)
- セス・スミス(OF)
- ジェマイル・ウィークス(2B)
- ブレット・アンダーソン(SP)
投手ではエース格だった防御率2.65/18勝6敗のコロンとクローザーを務めた防御率2.59/38セーブのバルファアが抜けました。しかし、余裕のある内野手からジェマイル・ウィークスを交換要員で2年連続50セーブのジム・ジョンソンを獲得しています。
また先発ではスコット・カズミアーを獲得して、バートロ・コロンの穴を埋めようとしています。
リリーフではジェリー・ブレビンスが抜けたものの、余剰がある外野手の中からセス・スミスを要員として安定したリリーバーであるルーク・グレガーソンを獲得しています。
アスレチックスの2014年の先発ラインナップとベンチメンバーの予想一覧
予想されるアスレチックスの2014年のスタメンオーダーとベンチメンバーの一覧は以下の表のとおりとなっています。
打線は2013年も打線の組み換えが頻繁で、この予想は参考程度にしかなりません。どこからでも点がとれるというのが特徴で、打率は低いものの、20本塁打以上4人、10本塁打以上3人と下位打線まで長打力があり、出塁率も高いため、、両リーグ4位の得点力を記録しました。
特定の選手に依存しないオーダーということと、出塁率が高く、打撃の調子が落ちても、四球を選んで塁に出れる選手が多いため、打撃の好不調の影響が出にくい打線となっています。
また守備でもユーティリティプレーヤーを揃えていて、エリック・ソガード、ニック・プントという内野のユーティリティプレーヤーもいて、様々な状況に柔軟に対応できます。
そしてさらにアスレチックスのトッププロスペクトのアディソン・ラッセル(2014年MLB.comプロスペクトランク12位)も2014年シーズン途中に昇格してくる見込みですので、さらに層が厚くなることは必至です。
アスレチックスの2014年の先発ローテとブルペンのメンバー予想一覧
予想されるアスレチックスの2014年の先発ローテーションとブルペンのメンバーの一覧は以下の表のとおりとなっています。
先発ローテは、絶対的なエースはいないものの、ジャロッド・パーカー、ソニー・グレイ、ダン・ストレイリー、A.J.グリフィンは試合を作ることのできる投手が4人揃っていて、そこにスコット・カズミアーを加えています。
カズミアーは故障がちではありますが、1年通じて投げればある程度の数字は見込めます。また、トップスターターではないものの、トム・ミローン、ジョシュ・リンドブロムなど、故障者が発生しても、ローテに組み入れることができるバックアップも用意しています。
ブルペンはバルファアとブレビンスが抜けたものの、ジム・ジョンソンとルーク・グレガーソンの加入で、補って余りある状態となりました。
さらにリリーバーとして373試合に投げて防御率2.85という実績がありながらも、手術から回復途上で2014年の途中には復帰できそうなエリック・オフラハティも獲得して、バックアップも十分です。
総括・まとめ
とにかく先発とブルペン、そして攻撃陣、守備面でも層が非常に厚いです。このようなバランスのとれた隙の少ないチームを、2013年ベースでわずか6037万ドル、2014年の予想では7800万ドルの年俸総額で作り上げているビリー・ビーンGMの手腕には驚嘆するしかありません。
この2013年の6037万ドルという年俸総額は両リーグで27番目の少なさで、5750万ドルだったタンパベイ・レイズと並んで効率のよいチームと言えるオークランド・アスレチックスです。
唯一の不安材料は先発投手陣で、絶対的なエースがいないこと、コロンの代わりが故障が多いカズミアーということくらいです。
故障があっても、それを補える戦力を揃えいて、選手の顔ぶれや数字を見ていると、唸るばかりでした。
タンパベイ・レイズと並んでア・リーグ優勝候補にあげたいオークランド・アスレチックスです。