2015ドラフト候補:高橋純平(県岐阜商)の甲子園での成績と分析

2015年の春のセンバツ高校野球から夏の甲子園にかけて大きな注目をあつめる続けることが確実なのが、県岐阜商の高橋純平です。

最速152キロのストレートを軸に、カーブ、スライダー、フォークなどの変化球を操り、春のセンバツ出場を決めた秋季東海大会では、33イニングを投げて防御率0.27・奪三振35を記録するなど圧倒的な成績に加えて、春のセンバツまでの公式戦77試合でわずかに12四死球という優れた制球力も持ち合わせています。

その高橋純平投手の甲子園での投球内容、投球などについての評価と分析です。

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高橋純平投手の2015年の春のセンバツ高校野球での成績と分析

高橋純平投手の甲子園での投球内容などについて分析しています。春のセンバツについてまとめていますが、夏の甲子園にも出場するようであれば、さらにこのページに情報を加えていく予定です。

初回投稿日:2015年3月28日
最終更新日:2015年3月30日

春のセンバツ2015-1回戦松商学園/2回戦近江高

春の選抜高校野球で、1回戦の松商学園、2回戦の近江の2試合の投球内容と、2試合トータルでの成績は以下の表のとおりとなっています。

*WHIP=(被安打+与四球)÷投球回 K/BB=奪三振÷与四球 P/IP=投球数÷投球回
Junpei Takahashi 2015 Spring Stats_1

1回戦の松商学園では9イニングを110球で完投し、被安打2・与四球1・奪三振11。2回戦の近江高校では9イニングを112球で完投し、2試合連続の二桁奪三振となる10個の三振を奪い、被安打3・与四球1という圧倒的な投球を見せました。

この結果、2試合を終えた時点で18イニングで防御率0.00/奪三振21/WHIP0.39となっています。*WHIP=(被安打+与四球)/投球回数

2試合トータルでの奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)10.50もさることながら、与四球率(9イニングあたりの与四球数)は1.00と低く、速球派にありがちな制球の不安定さがありません。

このように奪三振率は高く、与四球率が低いため、K/BB(奪三振/与四球)も10.50と、とてつもなく高い数字を記録しています。

また投球は変化球ではカーブとスライダーを織り交ぜるものの、大部分はストレートにもかかわらず、被安打率(9イニングあたりの安打数)は2.50と低く、芯で捉えることが容易では無いことがわかる数字となっています。

投球全体も三振を奪うために力むということもなく、ストレートに伸びがあるため、高めのボール球にも多くの打者が手がでてしまいます。また対戦する打者はストレートを芯で合わせることはできても、フルスイングで振りぬきながら芯でとらえることができていません。

かといって球速表示が圧倒的というわけではありません。ストレートの球速は最速150キロとはなるものの、その数字はあくまでも最速で、おおよそ146-140キロという範囲の球速で、試合の終盤になると140キロちょっとという球速が多くなっていました。

150キロ前後を投げ続けるような投手ではないものの、140キロ台半ばを高校生でありながらコンスタントに記録するのは素晴らしいことです。

しかし、安楽智大と比較した時には球速表示では見劣りすることになるのですが、高橋純平のストレートは「投手らしい球のキレと伸び」があります。地肩の強さや腕の強さに頼ったスピードガン表示が速いだけで、バットで捉えることができるような棒球ではなく、打者の手元でのキレと伸びがあるため、打者が差し込まれます。

このストレートを主体にストライクゾーンで勝負できることが、1イニングあたりの投球数(P/IP)が12.3球と効率的な投球につながっています。

スピードガン表示が速いだけのボールは、バッティングマシーンでの練習が定着している今、高校生でも捉えることは難しくありませんが、伸びとキレのあるボールは球速表示がやや遅くとも捉えることができません。

変化球ではスライダーがまずまずではあるのですが、カーブは制球、曲がり、投げる際のフォームに課題があり、改善が必要なため変化球は「高校生レベルでは良い」という印象です。

ただ、その変化球の精度の甘さを補って余りある球速表示以上の体感速度となるストレートの質の良さが大きな魅力で、春の選抜高校野球で目にした投手では、質が段違いであるという印象の高橋純平です。

フォームのメカニック上、疲れが出始めると右打者の内角高め、左打者の外角高めに抜けるボールが多くなるので、夏の甲子園までに体幹を鍛えれば、さらに安定感が増しそうな印象です。

春のセンバツ2015-3回戦浦和学院

2回戦から準々決勝は日程上、連投となった浦和学院戦の高橋純平でした。その準々決勝で敗退となったわけですが、その準々決勝までの成績は以下の表のとおりとなっています。

Junpei Takahashi 2015 Spring Stats_3

準々決勝では8回103球で奪三振5・被安打11・与四球1・自責点5という内容でした。

2回戦の試合後のコメントでは楽に投げ切れたとインタビューで話していましたが、実際のところは試合の終盤に球速が落ちていて、球速が出ても高めに抜けるボールが多い状態でした。

その翌日となりますので、疲労があるのは隠せず、球速も130キロ台が多くなっていました。それでも試合の中盤までは新たに解禁したスプリットを織り交ぜるなどして、うまく凌いだものの、終盤にさらに球威が落ち、浦和学院がうまくアジャストしてきたため、捉えられてしまいました。

変化球に関してはカーブは曲がりが大きいものの鋭さにややかけ、スライダーは小さく横にスライドするものの高めに浮くことが多いなど、圧倒的なレベルのものではありません。

田中将大や松井裕樹のように高校生レベルではバットに当てれないと言われるような変化球がないため、ストレートの伸びとキレが落ちると浦和学院レベルの打線には厳しくなり、1・2回戦のような投球はできませんでした。

1・2回戦の投球は数字としては素晴らしかったのですが、両チームともに打線が強力なチームではなく、高めのストレートにも多く手を出してくれたり、変化球への対応力が弱かったことにも助けられていました。

今大会であれば大阪桐蔭、常総学院、静岡、浦和学院あたりの全国レベルで打線が良いとされるチームにどれだけの投球ができるのかに興味があったのですが、現状では連投の疲労がなくても試合の終盤には苦しめられていたのではないかという印象です。

疲労が出てくるとストレート、変化球ともに高めに浮いてきます。2回戦は連投ではなかったのですが、試合の終盤には芯で捉えられる打球が増えていましたので、1試合を通じて完全にコントロールしきれるだけの馬力は、現時点ではないようです。

打線の弱いチームであれば、質の良いストレートで押し切れますが、全国レベルでも打線が良いとされるチームは、そう簡単にはいきません。

これらの強豪校は良い投手がいるチームと多くの練習試合を組んでくるため、活きたボールを打つ機会も多く、チーム内にも質の良いボールを投げる投手がいるため、対応力が違ってきます。

高橋純平は体力面でもやや課題があるので、それを克服する必要があり、さらには、しっかりとコースと高低をコントロールできる変化球が1つはないと、暑さで疲労しやすい夏の甲子園で強豪校を押し切って勝ち進むのは難しそうです。

ただ、大前提として非常に質の高い投手であることは疑いの余地がなく、間違いなく今大会のNO.1投手ですが、同じ時期の田中将大や藤浪晋太郎には完成度や馬力で劣る印象でした。

春の選抜高校野球での高橋純平に対する総評

球速以上に速く感じる伸びとキレのあるストレートが魅力の高橋純平です。

テークバックからリリースの瞬間まで脱力できていても、リリースの時に力を伝えることができなかったり、リリースの時に力を込めることができても、テークバックから力が入っているため、しなやかさがなく棒球になってしまう投手が多いのですが、高橋純平はそうではありません。

質の高いストレートを投げることができるのは、テークバックからボールをリリースする直前まで脱力することができ、なおかつリリースの時には力をいれることができるからです。

リリースの直前まで力を抜くことができているので、腕をしなやかに振れる分キレが増し、球持ちもよく打者側でリリースできるため、打者はタイミングが遅れ差し込まれることになります。

このようにストレートの質が高くなる要素がある一方で、フォームのメカニック的に高めに抜けやすくなる要素があり、それを抑えこむだけの体幹の強さと体力が持続しないため、試合終盤に暴れてきます。

テークバックしてボールをトップに持ってきた後に、ホームプレート方向に体重移動しますが、その際に三塁側に体が折れます。そして、そこからリリースするときに上から投げ下ろすために、反対に一塁側に体を傾けるという、あまり必要のない動きが入ってしまっています。

この動きが入っているため、フォームが全体的にぎこちなさを感じさせるとだけでなく、高めにボールが抜け、変化球の精度が落ちているように見受けられます。

現状でも良いボールを投げているのでフォームをイジる必要はないと思いますが、このフォームで多くの試合を投げきるのであれば、バランスが崩れないようにする体幹の強さと、その状態をキープする体力面の強化が必要になりそうです。

後は、このフォームではキレのある変化球を投げにくいように思われますし、さらにフォークだと肘や肩に負担がかかりやすいフォームのように見受けられますので、できればフォークではなく、ストレートに近いフォームで投げやすいチェンジアップを使ったほうが良いのではないかと思います。

150キロを出せる球速を持つ高校生はスピードガンに酔ってしまうところがありますが、そうではなく頭脳的な投球ができる高橋純平です。ただ、それが小手先の投球になってしまわないように、体幹をしっかりと鍛えて、体力をつけてもらいたいです。

3年生時はチーム全体の力が落ちたこともあり甲子園には遠ざりましたが、高校2年生の夏の甲子園での高橋光成は体幹の強さがあったためバランスがよく、夏の甲子園で連投が続いても、ボールの質をキープした状態で投げ続けることができていました。

高橋純平は完成度という面においては、まだまだというところがありますが、逆に言えば伸びしろが大きく、体力がつけば、まだまだ球速は出せるし、変化球の精度もあがると考えられます。

春の選抜では頭1つ以上抜けた存在で、現時点では高校生ではNo.1投手であることは間違いない高橋純平です。夏の甲子園でもう一度見たいので、しっかりと鍛えて勝ち上がってきてくれることを願っています。

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