フィル・クライン投手を数字で分析!DeNAベイスターズの新外国人をデータで評価

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1. プロフィール・経歴

フィル・クライン投手は1989年4月30日生まれの27歳で、身長201センチ、体重115キロ、右投右打の投手です。

プロ入りは2011年のMLBアマチュアドラフトで30巡目全体924番目でテキサス・レンジャーズに指名されてプロ入りしています。

メジャーデビューは25歳となった2014年8月1日で、それ以降はメジャーと3Aを行き来していました。

2016年は3Aで防御率4.26、メジャーで防御率5.19と精彩を欠いたため6月9日にDFAされてウェーバーにかけられました。

そこをフィラデルフィア・フィリーズが獲得し、シーズンの残りをフィリーズと傘下の3Aでプレーしました。

シーズン終了後に横浜DeNAベイスターズが獲得交渉を行い、12月19日に獲得が正式に発表されました。

メジャー在籍時の年俸は2015年と2016年がともに50万9500ドル(約5800万円)となっていますので、年俸1億5000万円のオファーは、クラインにとって魅力的だったと考えられます。

2. メジャーリーグ(MLB)とマイナーリーグ(2A・3A)の成績による分析

フィル・クライン投手のメジャーリーグ(MLB)とマイナーリーグ(2A・3A)のシーズン別と通算の成績は以下の表のとおりとなっています。

Phil Klein_Stat_2016

ルーキーリーグからメジャーリーグまでの全てのレベルで通算201試合に登板しているのですが、先発は27試合と少なく、そのうち25試合が2015年から2016年にかけてのものとなっています。

そのため経験としてはリリーフとしてのほうが豊富なのですが、近年は先発もこなしているというフィル・クラインです。

2A通算では53試合87.0イニングで防御率1.86・奪三振116・WHIP1.36、3A通算では49試合(先発21試合)160.0イニングで防御率2.14・奪三振174・WHIP1.03と非常に安定した成績を残しています。

奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)は2Aで12.0、3Aで9.8、与四球率(9イニングあたりの与四球数)は6.0、2.9という数字になっています。

マイナーレベルでは頭一つ抜けた存在だったようで、2016年のフィリーズとレンジャーズの3A通算で78イニングで防御率1.96・奪三振88・WHIP0.97・奪三振率10.2・与四球率2.1と結果を残しています。

ただ、メジャーでは通用しなかったようで、メジャー通算では40試合(先発4試合)55回2/3で防御率5.50・奪三振54・WHIP1.55となっています。

奪三振率は8.7、与四球率4.7と数字が落ち、被安打率が9.2、被本塁打率が1.5と完全に打ち込まれている数字が残り、メジャーでは力負けしていたことが伺えます。

こうなった原因として考えられるのは、後ほどの球種分析でも触れるのですが、マイナーでは十分に通用していたフォーシームがメジャーでは打たれてしまい、球種は多いもののメジャーレベルではスライダーくらいしか有効でなかったことなどが考えられます。

年齢を考えてもメジャーではなかなか難しいかったのですが、3Aでは十分な成績を残しているという微妙な立場になっていましたので、日本で挑戦することを選びやすい状況にあったといえるフィル・クラインです。

3. フィル・クラインの球種、球速などのデータによる分析

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MLBのPITCH FXシステムで計測されたフィル・クラインの球種、球速などのデータは以下の表のとおりとなっています。

Phil Klein_Pitches_2016

フィル・クライン投手の球種として計測されているのはフォーシーム、ツーシーム(シンカー)、チェンジアップ、スライダー、カーブ、カットボールの6つとなっています。

投球に占める割合は通算でフォーシームが45.34%、スライダーが33.68%とこの2つの球種が主体となっています。

そこにツーシームが11.74%、チェンジアップが6.39%、カーブが1.90%、カットボールが0.95%となっています。

ブルペンとしてのキャリアの方が長いクラインですが、球種が多彩なため先発としても起用され始めていたと考えられます。

フォーシームは最速154キロ、平均149キロとメジャーでは平均的な数字となっています。ただ、これはリリーフと先発の両方の数字が混じっているのですが、動画などを見ると先発のときは2キロから3キロほど球速が落ちています。

このフォーシームは球速は図抜けて速くはないのですが、質が良いようで、空振り率はメジャー平均を上回っています。また奪三振に占める割合も52.83%と高くなっています。

フィル・クラインにとって変化球でベストピッチと言えるのがスライダーで、変化は基本的に縦割れとなっています。

スライダーの奪三振に占める割合は30.16%、ゴロ比率も41.98%で、被打率は.178、被長打率.366と、メジャーでも十分に通用していた球種です。

ただ、問題はこれ以外の球種がメジャーでは通用しなかったことです。ツーシームは被打率.423、チェンジアップが同.333、カーブが.333となるなど、ことごとく打者に捉えられています。

フォーシームは三振も奪えているのですが、メジャーでは被打率.278、被長打率.536となっていますので、投球の組み立てに苦労したのではないかと思われます。

3Aレベルではフォーシーム、スライダーの質が良かったので十分に通用したと考えられますが、メジャーではもう一つ変化球がないと厳しいため、そこがクラインの越えれなかった壁だったと言えそうです。

4. フィル・クラインの投球動画

フィル・クラインの投球動画です。

まずは2016年8月に登板した際の動画です。スライダーで三振を奪っています。

奪三振に占める割合が高いことが納得できる球種となっています。

続いて2015年5月に初めてメジャーで先発登板した際の動画です。

先発の時のファーストボールは90マイルから92マイル、144キロから148キロが計測されています。リリーフ登板時の動画では150キロ(93マイル)から151キロ(94マイル)出ていますが、先発時は140キロ台中盤くらいとなりそうです。

また日本のマウンドは柔らかく、球速が一般的に落ちる傾向がありますので、140キロ前半が平均的な球速となるかもしれません。

投球フォームはスリークォーターで比較的オーソドックスです。身長が高いこともありフォームがゆったりしていますので、相手打線が慣れるまではその点もプラスに働きそうです。

総括・まとめ

メジャーでは完全に力負けしていたところがあり、打ち込まれることも多く、制球面でも乱れてしまったようです。

マイナーでの通算成績を見れば、三振を奪って打者をねじ伏せることができる投球ができ、制球面でも酷くはないように見えます。

しかし、過去に2011年の1Aで与四球率(9イニングあたりの与四球数)7.6、2013年の2Aでも7.4と極端に制球が乱れているシーズンもあります。そして2016年はフィリーズで与四球率5.9と四球を連発しているのはやや心配な点となりそうです。

三振を奪えるフォーシームとスライダーを持っていますし、質には疑問符が残りはしますが球種は多彩です。が、シーズンを通じての活躍を期待するにはチェンジアップかカーブなどが、もう少し使えるものなることが必要になりそうです。

他に不安材料をあげるとすれば左打者に極端に弱いことです。

右打者に対しては被打率.184・被出塁率.273・被長打率.298・OPS.572とかなり強いのですが、左打者には被打率.353・被出塁率.446・被長打率.637・OPS1.084と極端に弱くなっています。

またもう一つ気になるのがフライボールピッチャーであることで、メジャー通算ではGO/AO(ゴロアウト÷フライアウト)が0.89、3A通算では0.91となっています。

本拠地の横浜スタジアムは本塁打が出やすい球場なので、理想を言えばグラウンドボールピッチャーのほうが良いため、その点は懸念材料となりそうです。

マイナーでのシーズン別の成績を見ていても与四球が少ないシーズンは成績が良いのですが、与四球が多いシーズンはいまいちな成績となっています。

シーズンごとに制球面でもバラつきがあることを感じさせる数字が残っているクラインで、技術面か精神面のどちらかで不安定な部分があるのかもしれません。

日本のシーズン1年目でどちらのクラインが顔を出すのかが注目されます。

同じ先発の枠を争うジョー・ウィーランドと比較した場合には、相手をねじ伏せるという点ではクラインの方が期待できそうですが、安定感という点ではウィーランドに軍配が上がる印象です。

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