プレストン・ギルメット投手を数字で分析!ヤクルトスワローズの新外国人をデータで評価

リーグ優勝、クライマックスシリーズを制しての日本シリーズ進出と躍進した2015年のヤクルトスワローズでしたが、2016年は打線の主力に故障者が続出したことと、投手陣が機能せず5位に甘んじる結果となりました。

打線に関しては主力が健康であれば大きな不安がないものの、投手陣に関しては先発とリリーフの両面でテコ入れが必要となっています。

その投手陣の補強としてプレストン・ギルメット投手を獲得したことが発表されました。

そのプレストン・ギルメット投手をマイナーとメジャーでの成績、球種別データ、動画などで分析していきます。

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1. プロフィール

プレストン・ギルメットは身長1メートル88センチ、体重90キロ、右投右打の投手で、1987年7月27日生まれの29歳で、2017年開幕時も同年齢となります。

ギルメット投手は2008年にアマチュアMLBドラフトで22巡目664番目にクリーブランド・インディアンスに指名されたものの契約せず、2009年の9巡目全体275番目に再びクリーブランド・インディアンスに指名されてプロ入りしています。

25歳の2013年6月にメジャーデビューするものの、2014年10月にはインディアンスからDFAされた後に、オリオールズに1対1のトレードで移籍します。

*DFA(Designated For Assignment):メジャー契約を結ぶ40人枠から選手を外されること。この後ウェーバーにかけられる

この後が、非常に慌ただしい動きが続きます。

2014年10月3日に金銭トレードでピッツバーグ・パイレーツへ移籍したものの、12月19日にDFAとなりウェーバーにかけられたところを、獲得意思を示したブルージェイズへ12月23日に移籍します。

その後2015年5月10日にDFAされてウェーバーにかけられた後に、同月13日にレイズが獲得意思を示し移籍します。

しかし、同年7月7日にはレイズからDFAされてウェーバーにかけられ、ドジャースが7月10日に獲得します。

これでもまだ動きは終わらずドジャースからも7月21日にDFAされてウェーバにかけられたのですが、7月31日にブルワーズが獲得しています。

その後シーズン終了まではブルワーズでプレーしたものの、シーズン終了後には再び戦力外によりFAとなった後、デトロイト・タイガースと契約し、2016年はタイガース傘下の3Aでプレーしました。

ヤクルトと結んだ契約は1年契約で年俸が60万ドル(約6700万円)、背番号は「61」に決定しています。

2. メジャーリーグ(MLB)とマイナーリーグ(2A・3A)での成績による分析

プレストン・ギルメット投手のメジャーリーグ(MLB)とマイナーリーグのシーズン別成績は以下の表のとおりとなっています。

preston-guilmet_stats

プロ入り1年目の1Aショート時代の15試合は先発をしていましたが、その後はリリーフ専任で育成されています。

2Aでは50試合52.2回で防御率2.39/奪三振51/24SV/WHIP1.03とクローザーとして合格点の数字を残していて、2012年を最後にこのレベルでは投げていません。

3Aでは2013年から毎年プレーしていますが、通算で193試合231.1回で防御率2.57/奪三振254/WHIP1.05、奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)が9.9、与四球率(9イニングあたりの与四球数)が1.9と良い数字が並びます。

2016年も3Aでは65試合68.1回で防御率2.77/奪三振82/WHIP1.22、奪三振率10.8、与四球率1.6という成績で、このレベルでは三振を奪う能力も高い水準にあり、制球面でも不安がないと考えられる成績です。

ただ、メジャーではなかなか通用せず19試合23.0回で防御率8.22/奪三振19/WHIP1.48、奪三振率7.4、与四球率3.5と厳しい数字になっています。

メジャーでは被安打率(9イニングあたりの被安打数)9.8、被本塁打率(9イニングあたりの被本塁打数)1.6と、しっかりと打ち込まれていて、与四球も増えていますので、投球が決め手に欠くところ、単調になるところがある傾向があることを感じさせます。

まとめると3Aレベルであれば、奪三振率も高く、与四球も少ないバランスの良い投手ですが、メジャーレベルになるとやや決め手を欠くタイプであると考えられるプレストン・ギルメットです。

3. 持ち球と球種別データによる分析

プレストン・ギルメットに持ち球と平均と最速の球速、球種別データは以下の2つの表のとおりとなっています。

preston-guilmet_pitchespreston-guilmet_velocity

持ち球に関しては奥村政之・国際グループ担当部長は「ストレートは146-148キロ。スプリットを武器にしている。ツーシームとスライダーも織り交ぜる。」という投手で、タイプ的には五十嵐亮太に似ているとの見立てをメディアに話しています。

ただ、メジャー出場時のPITCH FXによる球種判定でカウントされているのはフォーシーム、ツーシーム(シンカー)、スプリットの3種類となっています。

フォーシームは最速で149キロから148キロを計測するものの、平均球速では143キロから146キロ程度で、メジャーでは平均を下回る程度の球速となっています。

日本の柔らかいマウンドでは球速が一般的に落ちますので、最速が145-146キロ、平均で142-3キロ程度と考えた方が良いかもしれません。

フォーシームは軌道のキレイな動きが少ないもので、スピン量が多いためか浮き上がるような動きがあるため、球速が速くないのですが、空振りを奪うことができています。

スプリットはこの球種としては空振り率が29.8%と高くないものの、ゴロを打たせるのには有効でゴロ比率は51.1%となっています。

このスプリットは横にカットするような動きをすることがあるようで、それを指して奥村部長はスライダーと話しているのかもしれません。

ツーシームに関しては、あまり積極的に投げていないようで、2015年に124球を投げたうち、わずかに8球だけです。

キャリア全体でも投球に占める割合はフォーシームが48.2%、スプリットが42.3%とこの2つの球種が投球の体部分を占めています。

メジャーでは通用しなかったのは、球速が平均以下であるにも関わらず動きが多くないキレイな軌道だったため、しっかりと捉えられてしまっていたと考えられます。

フォーシームの被打率も.319、長打率.532となっていますので、メジャーの打者にはあまり苦にならないフォーシームだったと言えそうです。

それでもファーシーム自体はキレがあったようなので、スプリットが空振りをしっかりと奪えるほどの落差や手元での動きがあれば補えたと思われますが、3Aでは通用してもメジャーでは物足りないものだったと言えそうです。

4. プレストン・ギルメットの動画

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最後にプレストン・ギルメットの動画で見ていきます。

2015年5月に高めのファーストボールで三振を奪った際のものです。

続いて2015年3月にファーストボールで三振を奪った動画です。

投げる時に左肩と右肩が水平になるのではなく、左肩が上がり、右肩が下がる投球フォームで、その点でも少し五十嵐亮太に似ています。

球速は一つ目の動画で89マイル、2つ目では88マイルと表示されています。

球速はこの動画でも142-143キロとなっていますので、やはり速いではありません。ボールの軌道自体は癖のすくないキレイなものですが、スピン量が多く伸びがある分、空振りを奪えているようです。

続いて、2013年7月に川崎宗則からスプリットで三振を奪った際の動画です。

スプリットだと思われるのですが、鋭い落ち方ではないため縦のスライダーにも見えます。タイミングを外してゴロを打たせるには良いのですが、空振りを多く奪えるほどのキレではない印象です。

それでも奪三振に占める割合はスプリットが61.9%となっています。

制球には大きな不安はないようですが、ファーストボールには圧倒的な力はないため、スプリットが日本の公式球でキレと落差をどれだけ出せるかが、クローザー、セットアッパー、ミドルリリーフの役割を決めるポイントとなりそうです。

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