【NPB2016新外国人分析】中日ドラゴンズの新守護神候補 ファン・ハイメ投手を数字で分析

シーズン序盤にクローザーの据えた福谷浩司やセットアッパーを務めた又吉克樹らが不安定だったため、勝ちゲームを落とすことが多かった中日ドラゴンズでした。

シーズン後半には田島慎二がクローザーとしてある程度計算できるようになったことで安定感を増しましたが、絶対的な信頼を得るほどの圧倒的な存在感を持つには至っていません。

そのため補強ポイントとなっている守護神候補としてファン・ハイメ投手の獲得に動いていることをスポニチが報じています。

そのファン・ハイメ投手をマイナーとメジャーでの成績、球種・球速のデータ、動画などを元に分析していきます。

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目次

このページの目次です。

1. ファン・ハイメ投手のプロフィール・略歴

ファン・ハイメ投手はドミニカ共和国のサン・クリストバル州サン・クリストバル出身。

1987年8月2日生まれの28歳で身長は188cm、体重は113キロの右投右打の投手です。

2004年12月にモントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)と契約してプロ入りしたもののメジャー昇格できませんでした。

2010年にトミー・ジョン手術を受け、そのシーズンオフにウェーバー公示されたところをアリゾナ・ダイヤモンドバックスに拾われます。

しかし、2011年シーズンオフにダイヤモンドバックスからもリリースされ、その後アトランタ・ブレーブスと契約し、このブレーブス在籍時の2014年6月にメジャー昇格を果たします。

ですが完全にはメジャーに定着できず2015年5月27日に複数の選手が絡むトレードでドジャースに移籍します。

そのドジャースでは1試合だけメジャーで投げたものの、こちらでも定着はできず2015年11月6日にフリーエージェントとなっています。

2. ファン・ハイメ投手のメジャーとマイナーでの成績による分析

ファン・ハイメ投手のメジャーとマイナーでの年度別成績は以下の表のとおりとなっています。

Juan Jaime_Stats2015

1A時代に12試合先発した後はリリーフ専門で育成されてきたハイメ投手です。

2A通算では48試合55.1回で防御率3.90/奪三振93/WHIP1.50、3Aでは54試合54.1回で防御率3.64/奪三振74/WHIP1.58、MLBでは18試合13.2回で防御率5.93/奪三振19/WHIP1.98となっています。

ブレーブスやドジャース傘下でもプロスペクト(有望株の若手選手)として一定の評価を得ていたのは160キロを超える球速と高い奪三振率が大きな理由でした。

奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)は2Aで15.13、3Aで12.26と高い数字で、メジャーでも12.51と良い数字を記録しています。

その一方でWHIP(被安打と与四球の合計を投球回で割った数字)が2Aで1.50、3Aで1.58、MLBでは1.98となっています。

この数字からわかるのは2Aと3Aでは1イニングを投げると平均で1.5人はランナーを出し、メジャーでは2人ランナーを出していたことになります。

このように多くのランナーを背負う原因となったのは制球難による与四球率(9イニングあたりの与四球数)の悪さで、2Aでは7.0、3Aでは7.5、MLBでは8.6個となっています。

つまりメジャーでは9イニングを投げた場合には、ほぼ毎回与四球を与えていたことになります。

2015年のブレーブスはハイメのポテンシャルを評価して開幕メンバーに入れたものの2試合1回1/3で与四球4個、ストライク率は44.4%と乱れに乱れてしまいました。

特に最後の登板は1/3イニングで16球投げてストライクは4球で与四球3個とひどい内容だったため、即座にマイナー降格となっています。

このように制球難がネックとなってきたハイメなのですが、気になるのが2015年になって奪三振率が悪くなっていることです。

2014年のメジャーでは奪三振率が13.14だったのですが、2015年は6.75に落ち、3Aでは13.83だったのが9.82、6.52と悪くなっています。

制球難があってもチームが期待をかけていたのは高い奪三振率と160キロを超える球速があったからなのですが、その両方の魅力が失われたことによって、チームに見切りをつけられてしまった面があります。

3. ファン・ハイメのメジャーでの球種別データによる分析

ファン・ハイメのメジャーの登板における球種(持ち球)と球種別の球速などの各種データは以下の表のとおりとなっています。

Juan Jaime_Pitches2015

MLB.comのPitch FXシステムによるファン・ハイメの持ち球はフォーシーム、シンカー(ツーシーム)、チェンジアップ、カーブの4種類となっています。

このうちシンカー(ツーシーム)に関してはメジャーで投げた328球のうち5球しかカウントされていないため、使える球種ではない可能性があります。

投球に占める割合はフォーシームが79.14%、シンカーが1.53%、チェンジアップが9.82%、カーブが9.51%となっています。

フォーシームは最速が161.1キロ、平均で156.2キロ、チェンジアップが最速148.8キロ、平均143.4キロといずれも高速です。

ただ、これは2013年のスプリングトレーニング(オープン戦)、2014年と2015年のレギュラーシーズンでの合計を平均したもので、2015年だけとなると数字が落ちています。

2015年はフォーシームの最速が156.7キロ、平均で153.9キロ、チェンジアップの最速が141.7キロ、平均が140.1キロとなっています。

このフォーシームの球速ではメジャーのリリーフ投手としては平均的な数字となりますので、制球難だけが残ってしまった状態となった2015年のハイメでした。

ただ、落ちたとは言え日本のプロ野球であれば高速の部類に入る数字ではあります。

変化球に関してはチェンジアップの三振に占める割合が23.81%で、空振り率が38.46%、ゴロ比率が66.67%で被打率.125となるなど通用しています。

またカーブに関しても三振に占める割合が28.57%、空振り率が44.44%、ゴロ比率が50.00%、そして31球投げて一度も安打になっていません。

このように良い数字が変化球でも残っているのですが、2015年にだけに限定するとやや不安が数字が浮かんできます。

2015年はカーブは制球に難があったのか1球も投げず、チェンジアップを5球投げていますがストライクはわずかに1球のみとなっています。

どの球種に関しても制球面での課題があり、特に変化球で不安を感じる面があります。

さらにファーストボールの球速が落ちているという点が気になるところです。

4. ファン・ハイメの動画・投球スタイル

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最後にファン・ハイメの動画で投球フォームなどを見ていきます。

2015年3月9日のスプリングトレーニング(オープン戦)での登板です。

いかにもパワーピッチャーという投球フォームで、95マイル(153キロ)のフォーシームで三振を奪っています。

続いて2015年3月17日のスプリングトレーニング(オープン戦)での登板です。

チェンジアップのようですが、球速を十分に落とすことができていない分、打者にとっては見極めやすいスピートになっている印象です。

球速は2015年になって落ちていたようですが、ボール自体には力、球威があるようですし、日本では十分に高速のカテゴリーにはとどまるのではないかと予想されます。

短いイニングを力で押し切るというスタイルになることは間違いないのですが、アメリカでもずっと課題とされてきた「ストライクがとれるかどうか?」、そしてファーストボールの他に「チェンジアップ、もしくはカーブをしっかりと使えるのか?」というところが、活躍できるかどうかの鍵を握ることになりそうです。

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