【新外国人分析】広島が獲得したネイト・シアーホルツ外野手を数字で分析

エルドレッドとロサリオの打線の中軸を期待されていた選手が故障で離脱し、得点力不足に悩む広島東洋カープが、2015年シーズン開幕6試合を終えたところで、早くも戦力補強に動きました。

サンフランシスコ・ジャイアンツ、フィラデルフィア・フィリーズ、シカゴ・カブス、ワシントン・ナショナルズを渡り歩いたネイト・シアーホルツ(Nate Schierholtz)外野手を合意したことを複数のメディアが報じています。

ネイト・シアーホルツは2014年シーズン終了後にFAとなり、今年の2月6日にテキサス・レンジャーズとマイナー契約で合意しました。このマイナー契約にはメジャーリーグの開幕ロースターに入れなかった場合にオプトアウトできる権利が含まれていました。

ネイト・シアーホルツはメジャーリーグロースターに入ることができなかったため、その権利を行使して3月28日に再びフリーエージェントとなっていました。

そのネイト・シアーホルツのメジャーでの年度別成績などのデータを元に分析していきます。

2013年には年間21本塁打をメジャーで記録したネイト・シアーホルツ

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ネイト・シアーホルツは2003年ドラフトで2巡目全体63番目という上位評価でサンフランシスコ・ジャイアンツに指名されプロ入りしています。

シアーホルツは右投左打ちの外野手で、メジャーではセンター、ライト、レフトの3つのポジションを守っていますが、守備出場649試合中633試合がライトでの出場となっています。

2007年のメジャーデビュー後は、基本的にメジャーリーグでプレーしている選手で、2014年もメジャーで122試合に出場しています。そのネイト・シアーホルツの年度別打撃成績は以下のとおりとなっています。

Nate Schierholtz Stats 2014

メジャー通算の8年間では、799試合2090打数で打率.253/本塁打52/打点228/出塁率.302/長打率.405で、2013年のカブス在籍時には、137試合462打数で打率.251/本塁打21/打点68/出塁率.301/長打率.470という成績を残しています。このような実績もあるためFAやトレードでの補強候補として名前があがることも少なくなかったネイト・シアーホルツです。

年間20本塁打が記録できるパワーは魅力で、長打力に関しては期待できると予想されます。

日本人メジャーリーガーで20本塁打以上を打ったことがあるのでは松井秀喜だけで、その他にはイチローが15本、城島健司が18本、井口資仁が18本にとどまります。中島裕之や田中賢介がメジャーに定着できなかったことを考えれば、シアーホルツの長打力を含めた打撃が優れていることがうかがえます。

出塁率は際立った高い方ではなく、四球率(四球÷打席数)はキャリア通算で5.9%、2014年シーズンは5.2%となっています。

2014年のセ・リーグで規定打席に到達した打者の中では、川端慎吾が6.8%、村田修一が6.8%、大島洋平が6.7%、で、一番低いDeNAの石川雄洋が5.9%となっていますので、シアーホルツは四球を多く選ぶほうではなく、どちらかといえばフリースインガーに近いタイプです。

また三振率(三振÷打数)はキャリア通算が17.9%、2014年は21.9%で、この数字は2014年のルナ(21.0%)、石川雄洋(20.3%)、上本博紀(18.8%)、雄平(18.8%)、丸佳浩(17.7%)と同程度です。

エルドレッドが37.2%、ゴメスが30.9%、堂林翔太が30.6%、キラが29.5%、バレンティンが26.0%という割合で三振をしていることを考えれば、極端にバットコントロールやコンタクトに問題があるタイプではないと考えられるシアーホルツです。

ネイト・シアーホルツは長打はライト方向に引っ張る打球が多いのですが、広角に打てないということではなく、センターから左中間にもスタンドインさせるパワーと技術があり、逆方向にも長打を打つことができるというデータがメジャーでは残っています。ただ、基本的にはレフト方向の打球に関しては長打が少なくはなっています。

打撃は真ん中から内角のゾーンを打つことを得意としていて、特に真ん中の低目に関しては高い長打率を残しています。

守備に関しては、メジャーリーグで野手の守備力を測る指標として使われている守備防御点(DRS)、アルティメット・ゾーン・レイティング(UZR)という数字では、メジャーの外野手の平均を上回る数字を残しています。

【用語】

  • 守備防御点(DRS):同じポジションの平均的な野手と比較して、守備でどれだけ失点を防いだかを示す指標。
  • アルティメット・ゾーン・レイティング(UZR):同一リーグの同じポジションの平均的な選手と比較して、守備でどれだけの失点を防いだかを示す指標。
  • DRSとUZRの評価基準:ゴールドグラブ級(+15)、優秀(+10)、平均以上(+5)、平均(0)、平均以下(-5)、悪い(-10)、非常に悪い(-15)

2014年の青木宣親がDRSが-8、UZRが5.9 という評価なのですが、シアーホルツはDRSが+8、UZRが+5.5となっていて、同等以上の数字を残しています。肩はそんなに強いほうではないようですが、守備範囲などでは青木宣親よりも優れている数値も残っていますので、守備面でも期待ができそうです。

ネイト・シアーホルツの打撃と守備の動画

最後にネイト・シアーホルツの動画です。

2014年7月のカブス在籍時にライト方向へ本塁打を打ったときの動画です。

続いて、2014年9月のナショナルズ在籍時に岩隈久志がセンターに本塁打を打った動画です。

マリナーズの本拠地であるセーフコ・フィールドは中堅が約122.2mですが、そのセンターに打ち込むことができるパワーがあります。

最後に今年のスプリング・トレーニングでの守備の動画です。

セイバーメトリクスの守備の数字も悪くないシアーホルツですが、実際の動きも悪くありません。

シーズン開幕からわずか6試合の時点で、ほぼ現役メジャーリーガーを補強するなど、非常に積極的な補強を進めるところに、広島カープが今年に勝負をかけていることがうかがえます。

グスマン、ロサリオ、エルドレッド、ヒース、ザカースキー、ジョンソン、デヘススと外国人枠の問題がありますが、少なくとも打者の2人が帰ってくるまでは、シアーホルツの打撃に期待せざるをえない広島です。

2015年のスプリング・トレーニング(日本のオープン戦)では13試合37打数で打率.265/出塁率.324/長打率.265/OPS.589とあまり際立った成績を残せなかったため、メジャー契約を勝ち取ることができませんでした。

その点はやや不安材料ではあるのですが、プロキャリアの大半がメジャーという選手が日本に来ることは稀で、メジャー通算52本塁打という実績もあり、そのパフォーマンスが注目されます。

長打力ではエルドレッドと遜色ないか、それ以上の期待ができる上に、粗さや穴という点でもシアーホルツのほうが少なく、プレーヤーとして洗練されていると考えられるため、日本でのプレーが楽しみなネイト・シアーホルツです。

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