ヤンキースは左のパワーヒッター重視をやめた?打線の中軸は右打者が並ぶことに

New York Yankees Top Catch

ニューヨーク・ヤンキースの本拠地であるヤンキースタジアムは左翼が318フィート(約96.9メートル)、右翼が314フィート(約95.7メートル)と外野の両翼がメジャーの球場としては狭くなっています。

それでも1メートル以上ライトの方が狭く、左中間は最深部が399フィート(122メートル)に達するのに対して、右中間は385フィート(117.3メートル)となっています。

このような要素に加えて風向きもライト方向に伸びやすく作用しているとの見方もあり、ライトスタンドへの本塁打が多い球場となっています。

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ヤンキースはこのような球場の特性を活かした打線を組むことを重視していて左打者でライト方向へ引っ張る打撃が多いパワーヒッターを多く獲得してきました。

それはマーク・テシェイラ、ブライアン・マッキャン、カルロス・ベルトランといった左のパワーヒッターを並べる打線をこの数年にわたり続けてきたことにも現れています。

そのヤンキースの2016年の本塁打数上位10名は以下のとおりとなっています。移籍したベルトランはヤンキースで打った本塁打数を記載しています。

  • カルロス・ベルトラン(両)22本塁打
  • スターリン・カストロ(右)21本塁打
  • ブライアン・マッキャン(左)20本塁打
  • ディディ・グレゴリウス(左)20本塁打
  • ゲーリー・サンチェス(右)20本塁打
  • マーク・テシェイラ(両)15本塁打
  • チェイス・ヘッドリー(両)14本塁打
  • ジャコビー・エルズベリー(左)9本塁打
  • アレックス・ロドリゲス(右)9本塁打
  • アーロン・ヒックス(右)8本塁打

カルロス・ベルトランはスイッチヒッターではあるのですが、左打席でのほうが長打が多く昨年の29本塁打のうち20本塁打が左でのものとなっています。

それはチェイス・ヘッドリーも同様で14本塁打の内11本塁打が左打席、マーク・テシェイラも15本塁打中13本塁打が左打席となっています。

ヤンキースのチームとしての本塁打の内訳はホーム81試合で111本塁打、アウェイ81試合が72本塁打となっていますので、スタジアムの特性を活かした左のパワーヒッターで本塁打数を稼いでいたと考えられます。

しかし、2017年はカルロス・ベルトランとブライアン・マッキャンがいなくなり、さらにマーク・テシェイラが引退しました。

その打線の穴埋めとしてヤンキースが補強したのが右打ちで指名打者で起用される見込みのマット・ホリデー。一塁で起用される見込みのクリス・カーターとなっています。

この結果、ヤンキース打線は左のパワーヒッターと呼べる選手がかなり手薄な編成となっています。

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予想されるヤンキースの2017年のラインナップは以下のとおりとなっています。

  1. (CF)ジャコビー・エルズベリー(左)
  2. (LF)ブレット・ガードナー(左)
  3. (C)ゲーリー・サンチェス(右)
  4. (DH)マット・ホリデー(右)
  5. (1B)クリス・カーター(右)/グレッグ・バード(左)
  6. (2B)スターリン・カストロ(右)
  7. (SS)ディディ・グレゴリウス(左)
  8. (3B)チェイス・ヘッドリー(両)
  9. (RF)アーロン・ジャッジ(右)

左打者として打席に立つのはジャコビー・エルズベリー、ブレット・ガードナー、グレッグ・バード、ディディ・グレゴリウス、チェイス・ヘッドリーとなります。

このうち相手投手に本塁打の脅威を与えることができるのはディディ・グレゴリウスくらいですが、パワーヒッターと呼べるほどではなく、打率は.276とまずまずですが、出塁率は.304とフリースインガーの傾向が強い打撃です。

さらに今ヤンキースで次にメジャーで活躍が期待されるプロスペクトである外野手のクリント・フレイジャー、内野手のグレイバー・トーレスも右打ちです。

そのためヤンキースとしては2015年に46試合で打率.261/出塁率.343/長打率.529/OPS.871、11本塁打という数字を残したグレッグ・バードが左のパワーヒッターとしてステップアップしてくれることを期待せざるをえません。

ただ、肩の手術とリハビリから復帰したアリゾナ秋季リーグでは17試合65打席で打率.215/出塁率.346/長打率.354/OPS.700、1本塁打、10打点と不安が残る状態となっています。

そのため左のパワーヒッターとして市場に残っていたペドロ・アルバレスを獲得してもおかしくなかったのですが、マット・ホリデーを指名打者で起用したいため、グレッグ・バードと併用できる一塁を守れる右打者のほうが良いということでクリス・カーターを選んだようです。

以下はニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマン氏の記事からの引用です。

“The power is not prevalent from the left side,” Cashman agreed. “That is the way the dominoes have shaken out.”
The Yankees GM said this has not been a philosophical alteration, though he acknowledged the swarm of defensive shifts has hurt the overall impact of a pull-heavy lefty and made finding such types “not the priority it once was.” Indeed, this was once the time of year the Yankees might sign a lefty homer threat such as Eric Chavez or Raul Ibanez. That kind of player was available in Pedro Alvarez, but the Yankees preferred Carter because they intend to have Matt Holliday as the everyday DH and wanted a righty counter-balance to Bird.

引用元:The radical, dice-rolling bent of Yankees’ new lineup

左打席からのパワーがないのは明らかだと認めていて、プランしていたわけではなく、「結果としてこうなった」とブライアン・キャッシュマンGMはなしています。

さらにブライアン・キャッシュマンは極端な守備シフトにより左のプルヒッターばかりを揃えることに問題があり、「以前ほど優先順位が高くはなくなった」ことを認めてはいるものの、「チームとしての方針、哲学を変えたわけではない」とも話しています。

ヤンキースはかつて球場の特性を活かすためにエリック・チャベスやラウル・イバネスらを獲得し、このオフにも同様のタイプでペドロ・アルバレスがいたとシャーマン氏は指摘します。

しかし、ヤンキースはマット・ホリデーを指名打者に固定し、グレッグ・バードの負担を減らせる右の一塁手が必要だったのでクリス・カーターを選んだということのようです。

キャッシュマンGMはあくまでも各ポジションをグレードアップさせようと動いた結果であって、左打者重視という方針を変えたわけではないと話しています。

結果として中軸が右打者になってしまったヤンキースにとって左のグレッグ・バードが主軸に育ってくれるかどうかは重要な課題となっています。

というのも2017年もそうですが、中期的に期待されている若い選手が右打ちばかりのためです。ゲーリー・サンチェス、アーロン・ジャッジ、タイラー・オースティン、クリント・フレイジャー、グレイバー・トーレスらはいずれも右打ちで、左のプロスペクトは2016年ドラフト1巡目で指名したルーキーリーグのブレイク・ラザフォードとなってしまう現状です。

そのためジョエル・シャーマン氏は以下のように記事を結んでいます。

Still, the result is a Yankees team with as little predictable lefty power as any in recent memory. So, if you are setting that watch, Harper can be a free agent after the 2018 campaign.

「結果としてヤンキースは最近の記憶では最も計算できる左のパワーヒッターがない編成となった。もしアラームをセットするなら、ブライス・ハーパーがFAとなる2018年シーズン終了後だ。」

若い選手のチームに移行しようとしているヤンキースにとって、スター性があり26歳でFAになる左打ちのブライス・ハーパーはフィットするプレイヤーとなりますので、やはり大きな関心を集めることになりそうです。

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