ダルビッシュのFA契約にジョーダン・ジマーマンが影響?トミージョン手術による懸念とリスクとは

テキサス・レンジャーズとの6年5600万ドルの契約が2017年シーズンで終了し、31歳でFA市場に出る見込みとなっているダルビッシュ有です。

トミージョン手術をする前のパフォーマンスではメジャーリーグでもトップクラスの投手、エースとしての地位を築いていましたので、FAとなれば大型契約を手にすることが確実でした。

しかし、トミージョン手術により、その復帰後のパフォーマンと肘の術後の経過に影響されることとなりました。

そのような中、ダルビッシュ有の契約に影響をあたえるのではないかと考えられているのが、デトロイト・タイガースと1億1000万ドルの契約を結んだジョーダン・ジマーマンです。

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ジョーダン・ジマーマンの契約が成績に比較して小規模になった理由とは?

ジョーダン・ジマーマンは2009年にトミージョン手術を受け、ほぼ1年間のリハビリを経て2010年の8月に復帰を果たしています。

その後は2011年に161.1回を投げ、翌年から195.2回、213.1回、199.2回、201.2回を投げ、162試合1002回2/3で防御率3.20/67勝45敗という成績を残しています。

これまでの安定した成績と29歳でFAとなったことを考えれば、もっと大型の契約を手にしても良かったはずなのですが、その際にネックとなったのがトミージョン手術歴だったとのことです。

Yahoo!SPORTSのジェフ・パッサン(Jeff Passan)は”How Jordan Zimmermann is helping make Strasburg and Harvey a ton of money”というタイトルの記事で以下のように伝えています。

Certainly without a scar on his elbow Zimmermann, one of the game’s more consistent performers, would have found more suitors involved and fetched a contract closer to Jon Lester’s than Homer Bailey’s.

要約すると「MLBでも最も安定感のある投手の1人であるジマーマンの右肘に傷(手術の跡)がなければ、もっと多くのチームが絡む争奪戦になり、ホーマー・ベイリー(6年1億500万ドル)ではなくジョン・レスター(6年1億5500万ドル)に近い契約になった。」とのことです。

トミージョン手術を受けることによってパフォーマンスが向上するケースもあるということも伝えられていますが、実はそれ以上のケースでパフォーマンスが低下しているようです。

A 2014 paper in the American Journal of Sports Medicine found that of the 147 major league Tommy John recipients it studied, 57 percent hit the disabled list for an arm injury after their surgery. Furthermore, every single performance metric of post Tommy John pitchers worsened, the paper said: “We found significant declines in performance statistics of ERA, batting average against, WHIP, and percentage of pitches thrown in the strike zone; other notable findings included declines in innings pitched, percentage fastballs thrown and average fastball velocity.”

かいつまんで訳すと以下の様なものとなります。

「2014年に発表されたAmerican Journal of Sports Medicineの論文によると147名のトミージョン手術を受けた選手を調査した結果、手術後に57%の腕の負傷で故障者リストに入っている。さらにトミージョン手術を受けた投手の様々な数値が落ちていると、その論文は述べている。「防御率、被打率、WHIP、ストライク率などのパフォーマンスを示す数値が低下し、投球回数、ファーストボールの投球に占める比率、ファーストボールの平均球速の低下などがあることが確認された」

多くのケースで投手としての能力を示す指標が落ちているということです。

ただ、このようなトミージョン手術による能力の低下がジョーダン・ジマーマンに顕著にあったかという、そうではありません。

ジマーマンは2009年の術後、順調に復帰し、パフォーマンスが良いことを考えれば、不安が少ないとも言えるはずなのですが、あるデータが壁になっているとジェフ・パッサン(Jeff Passan)は説明します。

The fear is tied to a SevenYear Itch, so to speak – the fear, shared by doctors and researchers, that the new ligament in a Tommy John surgery becomes susceptible to reinjury around the sevenyear mark. This is no guarantee. The cases, at this point, are more anecdotal than proven. Ligaments can break a year after surgery or can last more than 20 years, as David Wells’ replacement did.

内容を要約すると「トミージョン手術を受けた後7年を経過したあたりで、トミージョン手術を受けて修復した靭帯が再び損傷するリスク高まるということが医者や研究社の間で共有されている。が、これはケースバイケースで1年でダメになることもあれば、デビッド・ウェルズのように20年以上大丈夫なケースもある。」とのことです。

全てのケースにあてはまるわけではないものの、7年を経過したあたりで修復した肘の靭帯に問題が起きやすいというデータがあり、そのリスクは共通認識のようになっているとのことです。

ジョーダン・ジマーマンは2015年シーズンを終えてFAとなったわけですが、ちょうど6年を越えて7年目にさしかかっていますので、再び問題が発生する可能性が高い時期になっています。

このことがジョーダン・ジマーマンが大型契約を手にする上でネックとなっていたようです。

繰り返してのトミージョン手術は危険との研究が2016年に明らかに

さらに問題なのは再びトミージョン手術を受けることになった場合には、かなり厳しいことになることが2016年に明らかにされていることです。

despite the 2016 study in the Journal of Shoulder and Elbow Surgery that warns about repeat Tommy John surgeries and how such socalled revisions occur “substantially higher than previously reported.”

「肩と肘の手術に関する定期刊行誌(Journal of Shoulder and Elbow Surgery)の2016年の研究では、トミージョン手術を繰り返すことと、それが以前に報告されいたよりも高い確率で起きていることを警告している」

と、ジェフ・パッサンは伝えていて、トミージョン手術を繰り返すのは良くないことであり、それが残念ながら以前に報告されたいたよりも高い確率で起きやすいというデータがあるようです。

つまり一度トミージョン手術を受けた投手とチームが大型契約を結んだ後に、契約の早い段階で再びトミージョン手術をその投手が受けることになった場合には、巨額の不良債権となる可能性が高いということです。

そのためトミージョン手術を受けた選手は、もう一度肘が悲鳴をあげる確率が低くはなく、さらにそうなった場合には選手生命に関わってくることが多いため、巨額契約をチーム側がオファーしにくくなることになります。

現在2億ドルを越える大型契約を結んでいる投手はデビッド・プライス、ザック・グレインキー、マックス・シャーザー、クレイトン・カーショーらでいずれもサイヤング賞を獲得していますし、肘にメスを入れていません。

その一方で、ここ数年でFAとなる有力な投手ではマット・ハービー、ホセ・フェルナンデス、そしてダルビッシュ有たちがトミージョン手術を受けています。

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これらの選手がFAとなる年齢と実力を考えれば、2億ドル規模の契約を手にしても不思議ではないのですが、そこに影を落とすのがトミージョン手術歴となるようです。

ただ、ジョーダン・ジマーマンが肘に問題を再発させることなく、良いパフォーマンスを継続すれば、ハービー、フェルナンデス、ダルビッシュらに大金をオファーすることを正当化し、不安を軽減することにつながるだろうということです。

ジェフ・パッサンはマット・ハービーはトミージョン手術から6年、ホセ・フェルナンデスは5年を経過した時点でFAとなる一方で、ダルビッシュは3年という短い期間でFAとなることは有利な材料になるだろうとは述べています。

選手個々人によって事情が異なり、ケースバイケースではあるものの、ジョーダン・ジマーマンがうまくいくかどうかで、トミージョン手術後の投手に対する印象が少なからず影響があることは間違いないようで、ジェフ・パッサンは以下のように記事の冒頭で書いています。

Across baseball, executives are watching the 29 year old with a keen eye. He is just one player, just one arm, but Zimmermann is, in many ways, the standard bearer for the return from Tommy John surgery into the class of the ultra-rich.

「メジャーベースボール全体の幹部たちが29歳(ジマーマン)を鋭い目で見つめている。彼は1人のプレイヤーで、1人の投手でしかないが、ジマーマンは様々な面においてウルトラリッチになるであろうトミージョン手術から復帰した投手の旗手となっている」とのことです。

ダルビッシュ有の復帰後のパフォーマンスが、これまでの研究で示されているように投手としての数字に低下が見られるのか?がまずは注目すべきポイントとなります。

そしてMLBトップクラスと評価されていた以前の実力と変わりがないとなった場合には、どのような評価をFA市場で受けるのかが、次なる注目ポイントとなりそうです。

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