オリオールズに迫りつつある決断の時・・・主力選手のFAとファームの層の薄さが問題に

ボルティモア・オリオールズは2012年から5年間で93勝、85勝、96勝、81勝、89勝と負け越しはなく、444勝を挙げているのですが、この勝利位数はこの期間においてア・リーグでベストの数字となっています。

毎年のように先発投手陣に課題があることが指摘され、前評判も高くならないことが多いオリオールズですが、それは今季の開幕前も同様でしたが、8勝3敗と好スタートを切り、地区首位に立っています。

この5年から6年の期間を見ればオリオールズが素晴らしいチームであることは間違いないのですが、この好成績を支えている主力選手がFAとなる時が近づいています。

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2年で主力選手が軒並みFAとなるオリオールズ

オリオールズの主力選手のうちクリス・デービスと2022年まで契約しているものの、それに続くのは2019年までのマーク・トランボとダレン・オデイの2人で、それ以外はこれから2年間でFAとなります。

  • 2017年:クリス・ティルマン、ウバルド・ヒメネス、セス・スミス
  • 2018年:マニー・マチャド、アダム・ジョーンズ、ザック・ブリットン、ブラッド・ブラック、金賢洙、ウェリントン・カスティーヨ、JJ.ハーディ(OP)、ウェイド・マイリー(OP)

JJハーディとウェイド・マイリーはオプションを行使した場合に2018年シーズンまでとなります。

2017年シーズン終了後はまだ良いのですが、2018年終了後には野手、先発ローテ、ブルペンの主力クラスが軒並みFAとなる時期を迎えるオリオールズです。

オリオールズは予算の制約が多いチームの一つだったのですが、近年の好成績による収入増にこたえてオーナーサイドが予算を増やしています。

そのため今季の開幕時の年俸総額は1億6433万ドルと、2012年の8410万ドルから、ほぼ倍増しています。

この金額を長期間に渡り維持することは難しいのですが、主力選手がFAとなっていくこともあり、確定している契約は2018年が6945万ドル、2019年が4362万ドルしかありません。

そのため、FAとなる全ての選手を引き留めることはできないものの、何名かは契約延長を試みることができる経済状態ではあるオリオールズです。

しかし、どちらにしてもFAによって生じる穴が大きいことは否定できないのですが、その後を見込めるプロスペクトがファームに乏しいこと問題視されています。

ベースボールアメリカのランキングによると、オリオールズのファームシステムはMLB全体で今季は27位、昨季は28位にランクされるなど、ワーストと言われても仕方のない選手層となっています。

では、なぜこうなってしまったのか?ということになります。

オリオールズのコアプレイヤーはファームから昇格してきた選手が多く、ブルージェイズのように大型トレードでプロスペクトを大量放出したわけでもありません。

またファームからの選手がチームの核になっていますし、他球団で見限られた選手を活躍させることもできていますので、育成力がないわけでもありません。

それでもこうなってしまったのは、単純にドラフト指名とアマチュア・インターナショナルFA選手に、積極的に投資していないのが原因だと指摘されています。

なぜファームの選手層が薄くなってしまったのか?

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FOXスポーツのケン・ローゼンタール記者は以下のように伝えています。

Meanwhile, the Orioles’ combined investment in international amateurs is believed to be the lowest in baseball over at least the past six years, according to figures reported by Baseball America.

The O’s spent just $260,000 total on five international players during the 2016 calendar year, BA said. The Royals, at $1.5 million, were the next lowest spender outside of the Red Sox, who are banned from adding international players during the current signing period.

「少なくともこの6年間でインターナショナル・アマチュアに、オリオールズが投資した金額はメジャー最低とベースボール・アメリカが試算し」「2016年に使った金額は26万ドル」にすぎないことを伝えています。

次に少ないチームはロイヤルズの150万ドル、同じア・リーグ東地区では、レッドソックスが制裁のためインターナショナル・アマチュアとの契約ができませんでしたが、レイズは300万ドル、ヤンキースは270万ドル、ブルージェイズは250万ドルと、積極的に投資しているのとは大きな差があります。

さらにオリオールズはトレードでもあまりお金を使っていません。

The Orioles have spent the least of any club in the past three amateur drafts, according to reported figures. Their combined payout of $18,647,700 during that period was nearly $6 million below that of the average club and more than $16 million below that of the top spender, the Rockies.

報道されている数字によると、オリオールズは過去3年間でもっともアマチュアドラフトにお金を使わなかったチームで、その期間に投資した金額は1864万7700ドルにとどまるとのことです。この金額はメジャーの平均よりも600万ドル少なく、最も投資したロッキーズよりも1600万ドルも少ない数字となるとのことです。

主力選手が次々とFAとなる時期が近づくことを知りながら、ドラフト、インターナショナルの両面での補強を軽視していると言われても仕方のない動きとなっています。

予算の制約が大きいチームほど、ドラフト指名、インターナショナル契約により、年俸を抑えられる自前の選手を育成することが重要になるのですが、オリオールズは十分に取り組めていません。

オリオールズのダン・デュケットGMとバック・ショーウォルター監督は、前評判の高くなかった選手を掘り出して、活躍させることに長けているコンビです。

今年もトップクラスのプロスペクトではなかったトレイ・マンシーニを、7試合24打席で打率.364/出塁率.417/長打率.955/OPS1.371、4本塁打、9打点と活躍させています。

各媒体のプロスペクトランクのトップ100に、チームで唯一ランクインしている捕手のチャンス・シスコも、今季中には戦力となる見込みと報じられています。

ただ、同地区のライバルであるヤンキース、レッドソックスのファームの選手層には遠く及ばず、ブルージェイズ、レイズの背中も近くはないレベルの選手層しかありません。

選手のやりくりに長けるダン・デュケットGMとバック・ショーウォルター監督でも手に負えないほどの穴ができる時が近づきつつあると考えられる状況のオリオールズです。

オーナーサイドの意向でインターナショナル契約に資金を投資していないとダン・デュケットGMは明かし、何かしらの制約がかけられているようですが、その結果、ファームも含めたチーム全体の選手層は好ましくない方向に向かいつつあります。

ドラフト、インターナショナル契約以外でファームの層を改善する方法は、主力選手のトレード放出によるプロスペクトの獲得が、最も効率的なものとなります。

早ければ今季中、遅くとも今シーズン終了後には、中長期的な観点で様々な決断を迫られることになりそうなオリオールズです。

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