MLBで「最も空振りの奪えるファーストボール」を投げる投手は誰か?

メジャーリーグで最も速いファーストボールを投げるのがアロルディス・チャップマンであることは広く知られているところです。

2016年シーズンにフォーシームファーストボールを1019回投げているのですが、平均で101.08マイル(162.7キロ)、最速では105.85マイル(170キロ)という、図抜けた球速を記録しています。

しかし、2016年に最もバットに当たらないファーストボールを投げた投手はアロルディス・チャップマンではありません。

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データ解析で定評のあるFanGraphsのJeff Sullivan氏がThe Other Most Unhittable Fastballという記事で、PITCH FXシステムが採用されてからのファーストボールで最も高い割合で空振りを奪った歴代の投手と2016年の投手を紹介しています。

そのJeff Sullivan氏が示しているファーストボールで最も高い割合で空振りを奪った歴代の投手のランキングは以下のとおりとなっています。いずれの投手もフォーシームファーストボールによる空振りです。

  1. アロルディス・チャップマン(36.4%)
  2. ニック・ビンセント(34.3%)
  3. カール・エドワーズ・ジュニア(33.7%)
  4. ダレン・オデイ(32.8%)
  5. イーミ・ガルシア(32.3%)
  6. クレイグ・キンブレル(31.2%)
  7. 斎藤隆(31.1%)
  8. エルネスト・フリエリ(30.9%)
  9. ブラッド・ボックスバーガー(30.8%)
  10. 郭泓志(30.2%)

2016年にメジャーで投げた投手の中で、ランクインしているのはヤンキースのアロルディス・チャップマン、マリナーズのニック・ビンセント、カブスのカール・エドワーズ・ジュニア、オリオールズのダレン・オデイ、ドジャースのイーミ・ガルシア、レッドソックスのクレイグ・キンブレル、レイズのブラッド・ボックスバーガーらとなっています。

このランクの中に斎藤隆が入っているのも意外な事実だったのですが、それ以上に意外だったのがマリナーズのニック・ビンセントのフォーシームでの空振り率が高いことです。

というのも決して球速の速い投手ではないからです。

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しかもこの空振り率の高さは2016年も健在でした。Jeff Sullivan氏が示している2016年のランキングは以下のとおりとなっています。ザック・ブリットンのみツーシームファーストボールで、それ以外の投手はフォーシームファーストボールです。

  1. ニック・ビンセント(37.2%)
  2. ザック・ブリットン(36.8%)
  3. リッチ・ヒル(34.6%)
  4. カール・エドワーズ・ジュニア(34.1%)
  5. ジェウリス・ファミリア(34.0%)
  6. アロルディス・チャップマン(33.3%)
  7. グラント・デイトン(33.0%)
  8. デリン・ベタンセス(32.7%)
  9. ジャスティン・ウィルソン(31.2%)
  10. マット・ストラーム(30.8%)

マリナーズのニック・ビンセントのフォーシームに対して打者がスイングした際に空振りする割合は37.2%と、キャリア平均を上回る数字で、スイングした3回に1回は空振りになっています。

ザック・ブリトンは96-98マイルのツーシーム・シンカーを投げていて、高速な上に独特な動きがあるため、そもそも当てるのが容易ではありません。

以下はザック・ブリットンの動画です。

そしてカール・エドワーズ・ジュニアは最速で99マイル(159キロ)、平均で95-96マイル(153-155キロ)を出す高速のフォーシームで、ジェウリス・ファミリアは平均で98マイル、最速で100マイルのフォーシームを投げます。

こういった上位の選手の大半が高速のフォーシームで空振りを奪うのですが、ニック・ビンセントとリッチ・ヒルの2人はそうではありません。

ニック・ビンセントのフォーシームは最速で94.19マイル(151.6キロ)、平均で90.48マイル(145.6キロ)程度しか出ません。

以下はニック・ビンセントの動画です。

89マイル(143キロ)と90マイル(145キロ)という球速でメジャーではかなり遅いスピードですが、空振りを奪えています。

ニック・ビンセントはフォーシームの他に、シンカー、チェンジアップ、カーブ、スライダーを投げるのですが、通算の数字でフォーシームの被打率が一番良く.178と素晴らしいものとなっています。

上原浩治のフォーシームは2016年に平均で87.35マイル、141キロしか出ていませんが、被打率は.151とかなり素晴らしい数字となっています。

このようなニック・ビンセントや上原浩治のデータを見ると、投手は球速も重要ですが、高速でなくてもボールが手元で伸びるキレのあるファーストボールであれば十分にメジャーでも通用すると考えられます。

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