マリナーズのチーム解体が近づく?6月末まで低迷が続けば「売り手」へシフトか

Seattle Mariners Top Catch

ア・リーグ西地区の優勝争いは、地区2連覇のレンジャーズ、地区2位もワイルドカードを最後まで争い、シーズンオフにトレードで活発に動いたマリナーズ、昨年は序盤に出遅れが響いたものの後半は追い上げ、シーズンオフにFAとトレードの両面で積極的な補強を行ったアストロズの3強がリードするとの見方が大勢でした。

しかし、蓋を開けてみればアストロズは8勝4敗で地区首位に立っているものの、レンジャーズは4勝7敗で地区4位、マリナーズは4勝8敗で地区最下位と出遅れ気味となっています。

その中でも、マリナーズはチームの年俸総額、ロースターの構成、ファームの選手層などを見ても、勝負をかけれるのは今年、引き伸ばしても来年までという状況のため好スタートが必要だったのですが、手痛いつまずきとなっています。

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マリナーズが早くもトレード市場の「売り手」候補に

マリナーズのそのような現状を受けて、かなり早い段階ではあるのですが、マリナーズがトレード市場の「売り手」になるのではないかとの観測が、メジャーリーグ関係者の間で流れ始めているようです。

Word is circulating that the Mariners may be early sellers if they can’t turn their season around quickly. The Mariners may shift some scouts’ assignments to focus on farm systems if Seattle isn’t in the hunt by June.

引用元:Boston Globe

ボストン・グローブにニック・カファード氏による記事なのですが、「マリナーズが急激に状態が好転してしなければ、早い段階で「売り手」になるかもしれないとの観測が流れ始めている。6月までにポストシーズンを狙える状態にならなければ、マリナーズはいくつかのスカウトファームの調査に集中させるシフトに変更するかもしれない」と伝えています。

マリナーズのファームシステムはメジャー全体でもワーストの部類に入る選手層の薄さで、トレードを成立させるのにも一苦労する状態です。

さらにメジャーレベルの主力選手の年齢が高く、さらに複数の大型契約を抱えていて、年俸総額はほぼ上限に達していることもあり、予算もロースターも大きな柔軟性や伸びしろがない状態となっています。

現状ではトレード期限前にインパクトのある補強には動きにくい状態のため、シーズン開幕から良いスタートを切る必要があったのですが、トレードで獲得した選手以上に、構想の前提だった主力野手の不振などが足を引っ張っています。

チーム編成の軸に誤算が生じているマリナーズ

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マリナーズが昨シーズン中からシーズンオフの間にトレードで獲得した選手の12試合を終えた時点での現状と成績は以下のとおりとなっています。

  • ジーン・セグラ:打率.313/出塁率.353/長打率.406/OPS.759/3盗塁
  • ミッチ・ハニガー:打率.292/出塁率.393/長打率.542/OPS.935/3本塁打/2盗塁
  • テイラー・モッター:打率.333/出塁率.391/長打率.810/OPS1.201/2本塁打
  • ジャロッド・ダイソン:打率.179/出塁率.267/長打率.231/OPS.497/3盗塁
  • ダニー・バレンシア:打率.143/出塁率.196/長打率.214/OPS.410
  • カルロス・ルイーズ:打率.250/出塁率.455/長打率.375/OPS.830
  • ダン・ボーゲルバック:3A降格
  • ヨバニ・ガヤルド:2試合10回 防御率6.30
  • ドリュー・スマイリー:左肩故障で6月復帰か
  • マーク・ゼプチンスキー:3回 防御率0.00
  • ジェームズ・パゾス:4回2/3 防御率3.86
  • アリエル・ミランダ:2試合4回2/3 防御率5.06

ジーン・セグラ、ミッチ・ハニガー、テイラー・モッターの3人に関しては、攻守においてチームの戦力としての貢献度は高く、ダイソン、バレンシアは守備面では貢献していますが、あまりにも打てていません。ルイーズはスニーノのバックアップで出場機会自体が多くありません。

痛いのは先発ローテの4番手、5番手として期待していたスマイリーとガヤルドがともに、戦力アップにつながっていないことです。

フェリックス・ヘルナンデスが3試合18回1/3で防御率2.95、ジェームズ・パクストンが3試合21回で防御率0.00、岩隈久志が2試合12回で防御率2.25と安定しているため、このバックエンドの弱さが際立っています。

ただ、一番大きな問題となっているのが昨年活躍した中軸の3人とブルペンが低迷していることです。

ロビンソン・カノは次第に復調気配ではありますが、本塁打は1本だけで、打率.213/出塁率.288/長打率.340/OPS.629、ネルソン・クルーズは本塁打なしで.209/.314/.326/.639、カイル・シーガーも本塁打なしで.250/.360/.300/.660と中軸3人が停滞しています。

ブルペンはクローザーのエドウィン・ディアスの防御率5.79、セットアップ格のダン・アルトビラが防御率5.40、ニック・ビンセントが防御率4.50と不安定で、その他の投手も連鎖したかのように低迷し、ブルペンの防御率は7.13と壊滅的な数字となっています。

昨シーズン終盤まで優勝を争えたのは打線のこの3人と、ブルペンの働きが大きな理由でした。

さらに今季は昨シーズン序盤に好調だったレオニス・マーティンが打率.103/出塁率.125/長打率.128/OPS.253と無残な数字となっていますので、打線全体で迫力不足が否めなくなっています。

マリナーズの年俸総額は球団史上最高額となる1億5432万ドルと、ほぼ上限に近い数字となっている上に、トレード要員にできる質の高いプロスペクトもいないため、インパクトのある補強をしにくいチーム状況です。

そのため開幕ダッシュが必要だったのですが、構想の軸となっていた主力野手3人とブルペンがつまずいてしまいました。

まだシーズン序盤のため大型連勝があれば、ポストシーズン争いにカムバックできる状況ではあります。しかし、さらに大型連敗を喫するようであればテコ入れは容易ではないため、主力選手を売り払って、若い選手、プロスペクトをストックする方向性に舵を切るほうが中長期的なメリットは大きくなる可能性があります。

マリナーズの主力選手で3年以内にFAとなる選手は以下のとおりとなっています。

  • 2017年終了後:ダニー・バレンシア、ジャロッド・ダイソン、スティーブ・シシェック、カルロス・ルイーズ
  • 2018年終了後:ネルソン・クルーズ、岩隈久志、ヨバニ・ガヤルド、ドリュー・スマイリー、ジーン・セグラ、マーク・ゼブチンスキー、レオニス・マーティン
  • 2019年終了後:フェリックス・ヘルナンデス、ニック・ビンセント

マリナーズの編成は今季に勝負をかけるものではあったのですが、失敗した時にはトレード放出に舵を大きく切れる編成ともなっています。

6月までにさらに借金が増え、ポストシーズン争いが現実的なものでなくなった場合には、これらの選手を抱えておく意味があまりなくなります。

特に2017年と2018年シーズン終了後にFAとなる選手はトレード放出に絶好のタイミングに差し掛かっているため、価値が高いうちにトレードしておくことも大切なことになります。

ドラフト指名の失敗、選手育成の失敗、予算の柔軟性を失わせる高額の大型契約を複数抱えるなどの、ジャック・ズレンシックGMによる負の遺産が大きくのしかかっているマリナーズです。

あと1ヶ月半の戦いで希望を見いだせないようであれば、本格的なチーム解体に踏み切って、プロスペクトをストックすることと若い選手の育成を重視する方向に舵を切る事になりそうです。

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