エドウィン・ディアスがマリナーズの新クローザーに!脅威の奪三振率を誇る164キロ右腕

Seattle Mariners Top Catch

2016年シーズンのマリナーズはクローザーとして、FAで契約したスティーブ・シシェックを起用してきました。

クローザーとして9連続セーブ成功で防御率0.64、そして16試合の登板を終えた時点で防御率0.98とシーズン序盤は良かったものの、徐々に打ち込まれることが増えました。

7月末の時点で25セーブをあげながらも失敗は6回もあり成功率は80.64%とクローザー失格のレベルで防御率は3点台まで下落しました。

シシェックの不安定な投球が続いたため、一時はマリナーズの補強ポイントがクローザーとなっていたのですが、補強に動かなかったのはエドウィン・ディアス(Edwin Diaz)の存在があったためです。

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エドウィン・ディアス(Edwin Diaz)は2012年ドラフトの3巡目全体98番目でマリナーズに指名されてプロ入りした生え抜きの22歳右腕投手で、今季が初のメジャー昇格となりました。

これまでマイナー時代には先発をメインにこなし、2015年には2Aまで昇格したもの20試合104回1/3で防御率4.57の頭打ちしてしまいました。

そのため2016年シーズン開幕時点では各メディアによるプロスペクトランキングでもトップ100にランクインしたことはなく、大きな期待をされている投手ではありませんでした。

2016年も当初は先発投手として起用されてきたのですが、6試合先発した後にリリーフに配置転換されたことで才能が開花し、2Aではありますがリリーフ転向後に10試合10回2/3で防御率0.00で16個の三振を奪う好成績を残しました。

マリナーズはリリーフ陣に故障者が続出していることもあり、3Aを飛ばして2Aからエドウィン・ディアスを昇格させ6月6日メジャーデビューを果たしています。

はじめは負けゲームでの起用となりましたが、その投球内容が評価されミドルリリーバー、セットアップと駆け足でステップアップし、ついには8月からはスティーブ・シシェックに代わってクローザーを務めることになりました。

今季はすでに27試合28イニングを投げているのですが、防御率1.93/WHIP1.21という安定した内容に加えて特筆すべきは高い奪三振率です。

28イニングで56個の三振を奪い、奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)は18.00と驚異的な数字で、さらに与四球率(9イニングあたりの与四球数)も2.6と合格点を出せるなどバランスも良い結果を残しています。

このエドウィン・ディアスをスティーブ・シシェックに代わるクローザーとして起用できると考えるとジェリー・ディポトGMを始めとするマリナーズの首脳陣はトレード期限前にクローザーの補強に動きませんでした。

こうしてマリナーズの新たなクローザーとなったエドウィン・ディアスですが、その投球内容、球種、特徴など見ていきたいと思います。

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エドウィン・ディアスの持ち球はフォーシーム・ファストボール、スライダー、チェンジアップ、シンカー(ツーシーム)の4種類がPitch FXのシステムでカウントされています。

その投球に占める割合はフォーシームが72.77%、スライダーが26.60%と投球の殆どを占めていて、今季はシンカーは2球(0.43%)、チェンジアップは1球(0.21%)しか投げていません。

そのため基本的にはフォーシームとスライダーの2種類で投球を構成し、その上で圧倒的な奪三振率を記録していることになります。

フォーシームは最速101.82マイル(163.8キロ)、97.50(156.9キロ)と高速でメジャー平均を大きく上回ります。

またこの球種としては非常に高い割合で空振りを奪うこと(空振り数÷スイング数=28.83%)ができ、あたってもファウルになる確率が高く(ファウル数÷スイング数)48.47%となっていますので、なかなかフェアゾーンに飛びません。

さらにフェアゾーンに飛んでもゴロ比率が53.85%とフォーシームとしては非常に高い割合でゴロになるなど、長打力を浴びにくい球質となっています。

このフォーシームでも22個の三振を奪うことができているのですが、高い奪三振率の大きなファクターとなっているのがスライダーです。

スライダーの動きは基本的には縦割れ(12-6)で、平均的な投手よりも非常に高い割合で空振りを奪うことが出来、その数字は62.03%(空振り数÷スイング数)で、被打率.125、被長打率.167と強力です。

フォーシームとスライダーという2つは強力なのですが、先発投手としては使えるレベルの球種が少ないとも言えます。

ですが、短いイニングであれば100マイルを越えるファーストボールと、空振りを多くとれるキレの良いスライダーがあり、なおかつ四球を連発するような制球難がなければ、圧倒的な投球をすることが可能です。

またこのエドウィン・ディアスの能力の高さは、さらに数字の中身をみることでもわかります。

メジャー昇格後のエドウィン・ディアスは防御率1.93ですが、味方の守備の影響を排除するために奪三振、与四球、被本塁打などで算出する擬似防御率のFIP(Fielding Independent Pitching)が1.70と防御率よりも良い数字となっています。

つまり味方の守備に大きく依存することなく、投手としての力量で結果を残していると考えられることになります。

フライボールは一定の割合で本塁打になるという傾向があるためフライボールピッチャーが評価されないのですが、FIPにフライボールの要素を加味したxFIPは1.26とさらに良くなりますので、エドウィン・ディアスは実力の伴った結果を残していると考えられます。

最後にエドウィン・ディアスの投球動画です。この動画の冒頭で100マイルを記録しています。

フォーシームはアームサイドラン(シュート回転)があり、ツーシームのように沈みはしないものの横に滑る動きがあります。

投げるフォームのバランスの良さ、そしてテイクバックからトップをとってリリースするまでの無駄の少なさから、身体能力の高さを感じさせます。

球速を出す投手にありがりなテイクバックでの力みがない分、リリースポイントで効果的にボールに力を伝えることができているように見受けられます。

続いて8月5日のエンゼルス戦で3者連続三振でセーブをあげた時の動画です。いずれもスライダーで三振を奪っています。

スライダーは大きな曲がりではないのですが、打者の手元側で曲がっているようで、曲がり幅以上に打者がバランスを崩されています。

打者の手元で鋭く曲がる分、フォーシームとの区別がつきにくく、甘いコースでありながら打者がタイミングを外され空振りをしている印象です。

投球フォームのバランスも良く、ボールの質からも能力の高いことは間違いなく、年齢も若いため、今季のみならず、来季以降の編成を考えても、大切に起用しながら育ていきたい投手です。

マリナーズはなかなか絶対的なクローザーを持つことができていませんでしたが、その問題を解消する存在になるポテンシャルがあるエドウィン・ディアスの今後が注目されます。

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