ダルビッシュの「スプリット解禁」がもたらすものは?球種別のデータが示す可能性

Texas Rangers Top Catch

ダルビッシュは速球だけでなく、多彩な変化球を同じ投球フォームで操れることが、メジャーで高い評価を得ている理由の一つとなっています。

MLBのPITCH FXのシステムで判定されているだけでもフォーシーム、シンカー、チェンジアップ、スプリット、スライダー、カーブ、スローカーブ、カットボールと非常に多彩です。

どの球種もクオリティが高く、投手としての能力の高さを感じさせるダルビッシュですが、トミー・ジョン手術後は封印していたのがスプリットです。

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スプリット解禁がもたらすであろう投球への影響

アメリカではスプリットは肘に負担のかかる球種として、ファームにいる若い投手が投げることに制限をかける球団もあるほどですが、ダルビッシュはMLB移籍後もオープン戦などを含めて投球の3.62%と、少ない割合ではありましたが投げていたようです。

しかし、トミー・ジョン手術を受けて復帰した後は、肘への負担を懸念しスプリットを完全に封印していました。

ですが、2017年からはフロントやコーチからの許可もあり、スプリットを投げることができることになり、ダルビッシュはキャンプでも重点課題の一つとして取り組んでいることが日本のメディアによって伝えられています。

そのスプリットがダルビッシュの投球において重要な役割をはたすことになるかもしれないと、ダラス・モーニングニュースのエバン・グラント氏が予想しています。

Lucroy saw Darvish throw a handful of split-finger fastballs, a pitch that may end up replacing his changeup. According to brooksbaseball.net, Darvish threw only 36 changeups last year. He got 16 swings (44 percent), but only three swings and misses. In 2014, before Tommy John surgery, he threw the splitter 49 times and got swings on 29 of them (59 percent), including 12 swings and misses.

引用元:Why the splitter may take on more prominent role for Rangers’ Yu Darvish in 2017

今年はチェンジアップに代わりに多用される可能性があるスプリットを、ダルビッシュが投げるのを捕手のルクロイが見ていたようです。

ダルビッシュは昨年1600球くらいを投げているのですが、その中でチェンジアップはわずかに36球にとどまり、そのうち16回は相手打者のスイング(44%)を誘ったものの、空振りは3回しかありませんでした。

その一方でトミー・ジョン手術前の2014年にはスプリットを49球投げて、そのうち59%にあたる29回のスイングを誘い、12回の空振りを奪っています。

このようにダルビッシュはチェンジアップよりもスプリットの方が多く空振りを奪えていることをエバン・グラント氏は上記の記事で伝えています。

さらにそのスプリットを見たルクロイのコメントも合わせてグラント氏は伝えています。

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スプリット解禁でより攻略が困難な投手になる可能性が

以下は同じ記事からの引用です。

“It’s got more tumbling action and can be effective for him against right-handed hitters,” Lucroy said of the splitter. “He can throw it for some swings and misses.”

「落ちる動きがさらに大きいため特に右打者に有効になりうる」「空振りを奪いたい時に投げることができる」と、ルクロイはダルビッシュのスプリットについて感想を述べています。

ダルビッシュのメジャーでの球種別の成績を見ると、ブレイキングボールがかなり有効で、被打率はスライダーが.152、カーブが.101となっています。

そして持ち球の中で被打率が悪いのがツーシーム/シンカーとチェンジアップで、それぞれ被打率が.292、.333となっています。

チェンジアップは被打率.333も悪いのですが、長打につながることも多く被長打率は.600とかなり打たれています。その一方でスプリットは被打率.211、被長打率.253と良い数字で、スライダー、カーブに次ぐ効果的な球種といえる数字が残っています。

先にエバン・グラント氏が示したデータによるとチェンジアップを投げても35球のうち空振りが3回しか奪えなかったのが、スプリットは45球で12回の空振りを奪っていますので、その差は小さくありません。

そのためスプリットは多彩な変化球を持つダルビッシュにとっても選択肢としてあることが好ましいのですが、昨年は完全封印をしていため、本来はスプリットを投げる状況でもチェンジアップを使っていた可能性があります。

しかし、2017年は解禁されたスプリットを実戦で使えるレベルのものに仕上げることができれば、打ち込まれているチェンジアップを減らし、スプリットを増やすことで、より投球が効果的になる可能性があります。

2016年のデータではダルビッシュのフォーシームの最速が99.8マイル(160.6キロ)、平均で94.9マイル(152.7キロ)を記録するなど、トミー・ジョン手術前よりも速くなっていますので、よりスプリットが効果的になる可能性もあります。

昨年のダルビッシュはスプリットを封印した状態でも100回1/3で防御率3.41/132奪三振/WHIP1.12、奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)が11.8、与四球率が2.8という数字を残しています。

奪三振のタイトルをとり、サイヤング賞投票でも2位となった2013年は、奪三振率11.9、与四球率3.4となっていますので、その時と同等以上の数字をスプリットを封印した状態で2016年に残していることになります。

スプリットを解禁した2017年バージョンのダルビッシュがどのような投球を見せてくれるのか、今から楽しみです。

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